「オーシャンジュエリー」誕生の話
今日はThe one OCEAN JEWELRYという存在そのものを作るキッカケとなったお話です。
「タイプじゃないの」
あるとき知り合った方と話していた時の事です。
その方は40代後半の渋い男性サーファーで湘南に住んでいました。
仕事の話になり、当時私が主に彫刻していたハワイアンジュエリーというものも知っている(実際に昔愛用していた)との事だったので「現在の年齢で(ハワイアンジュエリーは)どうですか?」と聞いてみたところ「今は好みのタイプがちょっと違うからなぁ」と。
どんなタイプが好みかと聞いてみたら「ネイティブアメリカンジュエリー(所謂「ネイティブ系」)なんかは結構いい。実際にいくつか持っている。」と。
決意
ハワイアンジュエリーは本来の伝統的慣習からしても女性からの需要が圧倒的多数という事実があります。
加え、職人人生はネイティブアメリカンジュエリーの制作者から開始していたので同ジュエリーの魅力は十分に理解しているつもりであり、とくにどちらかを贔屓していたわけでもなかったのでそこまで深く考える必要は無かったのかもしれません。
しかしながら、表現の幅を広げたいというきっかけで踏み込んだハワイアンジュエリーの世界も様々な魅力がネイティブアメリカンジュエリー同様にあることに気付かされた身としては、「海の男が海を選んでいない」という単純な事実に何か複雑な、淋しいとも言えるような感覚になった事を覚えています。
海を愛する方々の新たな選択肢を追求しようと決意したのはその時です。
オーシャンジュエリー
ハワイアンジュエリーやネイティブアメリカンジュエリーは既に世間的なイメージ(所謂「既成概念」)が存在するため、いずれかに沿うのはどこか違うということは感じていました。
一方でハワイアンジュエリーが持つ「モチーフや絵柄には意味がある」「手彫り技法自体が伝統」といった美しい本質や、ネイティブアメリカンジュエリーの特徴的な金銀の加工技術などのエッセンスは取り入れたいとの考えはありました。
コンセプトや雰囲気など、まだぼんやりとしている段階でふと「ネイティブ系」という言葉が改めて脳裏を過りました。
所謂ネイティブアメリカン関連のファッションや物を表す言い方で、ネイティブアメリカンの伝統的な装身具(俗にいう「インディアンジュエリー」)も「ネイティブ系ジュエリー・アクセサリー」などと呼ばれています。
その時、自分が作りたいのはまさにこの海バージョン「OCEAN JEWELRY」という新たなジャンルだと、その時稲妻が走りました。
前述した、表現の幅を広げるために敢えて通常の貴金属彫刻ではない、特殊な「ハワイアンジュエリー彫刻」を選択したのも単純に「海」が好きという理由以外は考えた事もありませんでしたが、「オーシャンジュエリー」を作るためでもあったのだと勝手な解釈で妙に腑に落ちた事をはっきりと覚えています。
「海」で瞬時にイメージいただける、ハワイアンとネイティブアメリカンジュエリーからインスピレーションを受けたアイテムを作りたい。
その後試作やオリジナルデザイン考案などの試行錯誤を繰り返しているうちに「自分の海を作る※」というアイテムのコアコンセプトが決まり、段々現在の形になってきたという流れです。
※「モチーフや絵柄にはそれぞれ意味がある」といったハワイアンジュエリーの本質を用いた海、波、葉、花といったデザインとネイティブアメリカンジュエリーの彫金技法両方のエッセンスを取り入れて制作された「纏える海」を展開しています。
Stay Ocean. Stay Gold.
The one OCEAN JEWELRYのコンセプトです。
海は不思議です。
何もないのになぜか皆恋をします。
それは「海を感じる」事がプラスに働き、結果的にStay Goldな人生に繋がるからかもしれません。
「Stay Ocean. Stay Gold.」はこの考えを独自の造語にしたフレーズです。
「海」を常に感じることができる、海を愛する方の新たな選択肢「オーシャンジュエリー」。
「海をカタチにする」ことがThe one OCEAN JEWELRYの使命です。
少々ボリュームのある内容になってしまいましたが、ここまでがオーシャンジュエリー誕生の話です。
まだまだ制作が追い付いていないアイテムも多数ありますが、一歩ずつ足は止めずに作り続けたいと思いますので気が向いたときにでもまた覗いていただければ嬉しく思います。